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ナウシカ歌舞伎 [歌舞伎]

新橋演舞場でナウシカ歌舞伎を観てきました。

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その前に、まずは私の悲しい話を聞いてください……

新橋演舞場には開演30分前に到着する予定だったんです。
ところが、乗っていた特急列車が人身事故の影響で1時間近く止まってしまい、こっちの方が早いかも?と乗り換えた快速列車は、元々乗っていた特急列車に途中で追い越され、大人は金で解決だー!と上野駅でタクシーに乗ったのですが、20倍近い金額を払った割には地下鉄と大して所要時間が変わらず、ようやく座席に着いたときには開演から30分近くが経っていました……

私が見始めたころには、怒りに我を忘れたナウシカの剣をユパ様がみずからの腕で受け止めるあの名場面がすでに終わっていて、クシャナ殿下が花道から帰っていくところでした。。。
そりゃもう、クヨクヨしながら観てましたよ。
そういう残念な観劇感想です。
昼夜通しで観たので、感想は一緒くたになってます。

まず全体の話からすると、ストーリーもキャラクターも確かにナウシカでありながら、ちゃんと歌舞伎だということに驚きました。
舞台装置や演出などは現代的な部分も取り入れられていますが、セリフも所作もこれはたしかに歌舞伎です。
衣装も基本的に歌舞伎の衣装でナウシカ風にアレンジされている感じ。
武士の装束にあのマントと帽子を被ると違和感なくユパ様になるのがすごい。
ナウシカは狩衣だけど、これもやっぱり違和感なくナウシカだし。
クシャナ殿下の衣装はかなり特殊だったけど、紫のマントがとても高貴な感じで似合っていました。

松也くんのユパ様は、キャストを見たときに若すぎない?と思ったけど、これはこれでアリ。
若くてイケメンなユパ様もいいものです。
立ち回りも多い重要な役ですから、なるほど松也くんだよね、と思いました。
そして相変わらず客いじりがうまい。

亀蔵さんのクロトワは期待していたほど存在感がなくてちょっと物足りない印象です。
せっかく個性的な役とそういう役を得意とする個性的な役者さんなのに、良さを出せていないように思います。
もったいないなぁ。
時間の都合もあるだろうし、しょうがないのかな。

むしろ錦之助さんのチャルカの方が存在感があった。
出番も多いのかな?
まあ、美味しい役ではあるよね。

巳之助くんのミラルバはぶっ飛んでる感じが出ててよかった。
しょうもない悪役と言えば悪役なんだけど、あのやけっぱち感と妙な明るさがどこか憎めないんだよな。
そのあたりとても上手く表現されていたと感じます。

歌六さんのヴ王は流石の一言。
こういうスケールの大きい悪役が本当にお上手です。
暴君ではあるんだけれども、どこかに王の器を感じさせるところもあって、やはり憎めないキャラクターです。
「さいごにきて面白き人生であった」というようなセリフとともに高笑いを響かせるのなんか、かっこいいもんね。

アスベルの右近くんもセルムの歌昇くんも爽やかでよかったねー。
米吉くん好きなんだけど、ケチャは米吉くんの可愛らしさがイマイチ出せない役のようで、残念。

で。
そうです、クシャナ殿下です。
私は七之助さんのクシャナ殿下を観に行ったと言っても過言ではない。
こういう複雑さを抱えた美女の役は七之助さんをおいて他にはいない、と配役を見た時から思っていましたが、予想を裏切らない素晴らしいクシャナ殿下でした。
凛々しくもお美しい姿、普段の女形の声よりも凛としたお声。
颯爽とした武人らしい動き。
白(銀?)の衣装の上で翻る紫のマントの美しさよ……!
私は本気でときめきました。

さて、もちろん、菊之助さんのナウシカです。
私、劇場に行くまで怪我のことをまったく知りませんでした。
なんとなく周りから聞こえてくる会話から、誰かが怪我したことを知り、昼の部と夜の部の間で検索したら菊之助さん、8日に舞台で怪我されていたのですね。
その後、夜の部の幕間で偶然会った知り合いから、宙乗りや派手な立ち回りなどはカットされていると聞いて、とても残念な気持ちになりました。
知らなかった。。。

事故のことを知らない状態で初めてトリウマを見たときに、まさかこれに乗るんじゃないでしょうね?と私ですら思いました。
二本脚のトリウマの再現性は高く、それはそれで素晴らしいのですが、まあ、どう見ても不安定だよね……
このトリウマに乗って花道を引っ込むときに横転して左肘に怪我をしたとのこと。
それでも内容を一部変えて舞台を務める役者魂には頭が下がるし、舞台観られてよかったとも思うけど、やっぱり当初の形で観られなかったことには落胆します。
初日のチケットを手に入れるチャンスがあったのに、躊躇してチケット取らなかったことが悔やまれてなりません。
よよよ……

映画館での上映の際にはどのバージョンになるのでしょうね?
観られなかった場面を観たい気もするし、そしたら劇場で観られなかったことがまた悔しくなりそうだし、複雑。。。

言われてみれば、ナウシカは左手の動きがあまりない。
逆に、言われなければ気付かなかったということが、すごい。
ナウシカの動きが制限され、見せ場の一部がカットされていることもあるのでしょうか、やはりちょっと物足りない感じもいたします。
ナウシカの真摯さ、清純さ、愛情の深さはとても伝わってきました。

ケレン味で見どころは昼の部では本水を使った立ち回り、夜の部ではオーマと墓の主による連獅子でしょうか。
どちらも見ごたえあります。派手でいいです。
赤い連獅子の化粧がちゃんと巨神兵の顔になってるのいいね。

それから、装置の巨神兵の再現性の高さが見事だった。
あと、ミトじいの顔が、ミトじいだった!
美術さんたち頑張ったんだなー、と思うものがたくさん出てきました。

最後に写真をいくつか。

壁画風の幕
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イヤホンガイドのキャラクターと一緒にいたテト
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特典でもらったチケットホルダーと、迷った末に買ったテトのブローチ
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