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雲雀を探せ [日記]

この時期、散歩の途中で雲雀の姿を探すのが好きだ。
ずっと上の方でピリピリピリリリと細かいさえずりが聞こえたら、そこに雲雀がいる。
声を頼りに見当をつけて上空を見渡すけれど、空のうんと高いところにいるので容易には見つからない。
それでもさえずりはずっと聞こえてくる。
どこだどこだ。
辛抱強く探し続けていると、空の中に黒い小さな点が細かく揺れているのが不意に目に入る。
お前、そこにいたのかー。
この瞬間がとても楽しい。

しばらくホバリングしながらさえずっていた雲雀はやがて地上に降りてくる。
この時になってようやく場所がわかることも多い。

雲雀は開けた草地を好む。
雀より一回り大きい程度の小さな体でも、背の低い草地では姿が丸見えだったりする。
それなのに、地上でもさえずり続けていたりして、お前、そんなに無防備で野生の生き物として大丈夫なのか、と心配になる。

私が雲雀のさえずりと姿をそれと認識できるようになったのはここ10年くらいのことだ。
何がきっかけだったかよく覚えていないのだけれど、大学生の頃に読んだ「春琴抄」が頭の中にあったからだというのはたしかだ。

盲目の佳人、春琴が雲雀を空高くに舞い上がらせてそのさえずりを楽しむ場面がある。
それが「雲雀」という鳥であることすらうろ覚えだったけれど、ある時、上空から聞こえるさえずりに耳を傾け、足を止めて姿を探した、それが私が本当に雲雀を認識した始まりだったような気がする。

雲雀はずっと身近にいて、春になると毎年さえずっていたのに、私には見えていなかった。聞こえていなかった。
あるのに、ないも同然だった。
そういうこと、他にもいっぱいいっぱいあるんだろうなぁ。





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出会いの散歩コース [日記]

散歩コース沿いの畑で作業をするご夫婦と、たまに立ち話をすることがある。
わざわざ東京から毎週通っているらしい。
3ヶ月ほど前にちょっとしたことがきっかけで話をするようになって、見かければ声をかけて、何を植えているのかとか、野菜の育ち具合はどうかとか、そんな他愛もないことを2,3分ほど話す。
私もそれほど頻繁に行くわけではないので、一か月に一度会うかどうかくらいの頻度だ。

先日散歩に出たら久しぶりにお見かけしたので声をかけたら、収穫したばかりのカボチャをいただいた。

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上の方は漬物にして、下の方は煮物にするといいらしい。
東京から来ている人に地元の人が野菜をもらうって不思議だなぁ、と思いながら有難く頂戴した。

色んな人や、動物や、植物に出会うお気に入りの散歩コースです。




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本日の収穫 [日記]

職場には色々な果樹が植わっていて、収穫の時期になるとランチのデザートは現地調達となる。

今日はイチジクとザクロ。
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どちらもパックリ割れた見た目がグロテスクで写真映えしない。
でも食べるとおいしいよねぇ。
生のザクロはなかなか流通しないので貴重です。

収穫用に手入れはされておらず、通行の邪魔になる下枝は伐採されるので、たくさん実がなっていても手の届く範囲にはほとんどない。
さらにイチジクにはスズメバチという強敵が群がっているので、おいしそうな実を下から指をくわえて眺めているだけのことが多かったりする。
ザクロはザクロで棘に気をつけなければならない。

そのような危険をかいくぐり、通行人に奇異の目で見られる恥をかなぐり捨てて、ようやく食べられる秋の味覚です。




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木彫り熊の申し子 藤戸竹喜 [日記]

木彫り熊の申し子 藤戸竹喜」展を観てきました。

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どこから見ても違和感のない自然な形、生き生きとしたしぐさ、毛の流れの精巧さ。
熊とともに生きたアイヌの伝統あればこその技巧だと思います。

デッサンや下絵なしで一気に彫り出していったとのこと。
余計なものを省いて木の中にあるものを取り出す、と語っていたけれど、木彫りの仏師と同じことを言うなぁ、と思った。
実際、観音像も彫っている。

熊を中心に、狼、鹿、狐、鳥、人間など、さまざまな木彫りがあります。
私がとても気に入ったのは鹿の像。
首を伸ばして鼻先を上げて目をつぶっている鹿の像です。
耳をすませているような、昔を思い出しているような、なんともいい表情をしています。

足をかく熊のちょっとユーモラスで愛らしい姿。
川で鮭をとる熊の群像も良かった。

「狼と少年の物語」という連作はエゾオオカミの絶滅にまつわる物語。
仲間を求める狼の悲しい遠吠えが聞こえてくるようです。

アイヌと言えば、しばらく前に知里幸惠の「アイヌ神謡集」を少し読みました。

「銀の滴降る降るまわりに
金の滴降る降るまわりに」

梟の神様が歌う歌は涙が出るほど美しいです。

自然に敬意を払い共存してきた独自の文化を持つアイヌ民族。
お恥ずかしながら私はあまりよく知っているわけではないけれど、豊かな文化を持つ人々、とぼんやり思っていました。

ところが、北海道の中でも都市ではないところに住んでいる人に聞いた話では、今はそれほどでもなくなったが自分が子供の頃はまだ差別が残っていた、とのことだった。

こんなに豊かな文化を持つ人々なのに? と関東で生まれ育った私にはピンとこないけれど、差別ってそういうものなんだろうな、とも思う。
私自身も、自覚のあるなしに関わらず差別しているし、されているのだろう。

東京ステーションギャラリーはアクセスが抜群にいいし、超大物人気作家のようなものではなくとも「こんな素晴らしい作家がいたのか」と教えてくれるセンスのいい企画が多いので、これからもこまめにチェックしていきたいと思います。

ローソンで事前にチケットを発券しておかないといけないのが唯一の難点。
当日券があるとは限らないし、スマホチケットに対応してくれないかなぁ。。。




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ヤマボウシの実 [日記]

先日、公園を歩いていたらこんな木の実を見かけた。

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なんだろうなー、あとで調べてみようと思って写真を撮って、そのまま忘れていた。
そうしたらその数日後に、私の果実食べ歩き友達である理論物理学者のおじさんから、ヤマボウシの実というのは食べられる、とwikiのページが送られてきた。

見た瞬間、これ先日写真撮ったやつ!と驚いた。
こういうのシンクロニシティって言うの?

で、今日また公園に行ってヤマボウシの実を採ってきました。
写真撮るつもりだったのにうっかりして撮る前に食べてしまった。

外の皮をグニュっと噛むと、中から黄色くてねっとりした、少しマンゴーに似た味の果肉が出てきます。
うん、まあ、まずくはないが、また採って食べたいほどではないな。

ちなみにこちらは職場のイチジク。
これは文句なしに美味い。
ただしスズメバチに要注意です。

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今日はお彼岸の入り。
彼岸花って本当にお彼岸の頃に咲くよねぇ。

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青いどんぐり [日記]

青いままで地面に落ちているどんぐりが好きです。
茶色いどんぐりも可愛いんだけど、青いどんぐりには特有の美しさがあります。
これに惹かれる気持ちってなんなんだろうなぁ、と考えてみるのですが、うまく言葉では出てきません。

完成する直前で時が止まった感じというか。
大人になる一歩手前の、硬さゆえの清潔な美しさというか。
どことなく志なかばで倒れた若き情熱を連想させるようなところもあり。

うーん、やっぱり言葉ではこぼれ落ちてしまうものがたくさん残ります。

いつもは散歩の途中で落ちているのを眺めるだけなのですが、昨日はいくつか拾ってみた。
葉と一緒に小枝についたまま落ちているのなんか、なんとも言えずいい。

持って帰ってみて、一晩経って、私は初めて知った。
青いどんぐりは一晩で変色するのだということを。
昨日は真っ青だったどんぐりに、今朝見たら茶のまだらが出ていた。

青いどんぐりの美しさとは、やはりその時だけの煌めきだったのだ。

(ちょっとくたびれてしまった今朝のどんぐりたち)
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散歩の途中でイタチを見かける [日記]

3日前に街中を散歩していたら、横の駐車場から赤茶色の細長い生き物がチョロチョロと出てきて、目の前を横切って向かいの物陰に消えていった。

あれはイタチなのかテンなのか。
後で調べようと思ってそのまま忘れてしまった。

今日、公園を散歩していたら、小道の向こうから赤茶色の細長い生き物がやってくる。
私の存在には気づいていないのか、草むらに入ったと思ったらまた出てきた。
立ち止まって観察していると、ようやく人間の存在に気づいたようで(野生のくせに鈍い)、しばらく人の顔を眺めた後で草むらに入っていった。
あー、行っちゃったなぁ、と思って歩き出したら、すぐ横の草むらでガサガサと音がする。
びっくりしてたたらを踏むと、向こうも驚いたようでまたガサガサっと音がした。
立ち止まって音がしたあたりを眺めていると、木の影からヤツが顔を出した。

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写真が撮れるくらいの時間、人の顔を眺めた後で、再び草むらに姿を消してもう出てくることはなかった。

帰って写真を元に調べてみたところ、こいつは多分イタチだ。
農作物を荒らしたり、家の中に住み着いて繁殖したりして害獣とされているけれど、散歩の途中で顔を合わせるくらいなら可愛いもんだね。



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10日間の夏休みが終わった [日記]

10日間の長い夏休みが終わりました。
もともとぼっちなうえにコロナ下なので、誰に会うでもなく、どこへ行くでもなく、何をするでもなく終わりました。

ブログ書いて、お絵描きして、本読んでいるうちにあっという間に一日が終わる。
掃除したり日常的な買い物をしたりしているうちにどんどん時間が経っていく。
買い物以外で外出したのはスーパー銭湯と美容室のみ。

10日間も休みがあって、特別なことは何もなく、今までなら「あーあ、何もしないで長期休暇が終わっちゃった」と自己嫌悪……とまではいかなくても大いに反省するところなのだけれど、不思議とそういう気持ちにはならないで済んだ。

特に何もしなかったけど、これはこれでいいかな、という感じ。
最近、自分や自分の人生への期待値が下がってきていると感じる。
これは良い兆候だ。
足るを知るということだ。

世間全般が自粛モードで、行楽地の賑わいや空港の混雑具合といったニュースを見ずに済んだのも大きいと思う。
ああいうの見ると、自分もどこか行かなきゃ、誰かに会わなきゃ、意味のあること、特別なこと、より大きな快や刺激を得なきゃ、という焦りが生じる。
SNSやインターネットをあんまり見なかったのもよかったのだと思う。

今の世の中、情報も刺激も物もとにかく多すぎる。
何かが足りない、もっと欲しい、と思う時は、逆に減らす方向に行った方が楽になることが多かったりする。




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ミトン型メガネ拭き [日記]

私はメガネ拭きを何枚も持っていて、あっちにもこっちにも置いてある。
眼鏡はもちろん、アクセサリーにも使うし、スマホや3台持ってるiPadをいつでも気になった時さっと拭ける。
バッグインバッグのスマホ用ポケットにも入れてあって、こうしておくとスマホを出し入れする度に綺麗になる。
同じくAir Pods Pro用ポケットにも仕込んである。

そんな私が一番使いやすいと思っているのが、10年以上前に眼鏡を作った時についてきたメガネ拭き。
ミトン型になっていて手を入れて使えるのでとても拭きやすいのです。

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同じようなのないかなぁと探してみたら、なくはないのだけれど、もっと手軽に手に入るものがないだろうかと思ってしまう。
で、いっそ自作してしまえばいいのではないかと思い至った。

そこで100円ショップで3枚1セットのメガネ拭きを買ってきて手縫いでやってみたんだけど……
か、固い。。。
マイクロファイバーの布地は目が詰まっているのでなかなか針が通らない。
粗い並縫いをするのでもう精一杯。
腱鞘炎の右手を酷使して渾身の力で針を抜き差しして、そうしてできたのがこちら。

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見た目はともかく、うん、拭きやすい!
本当はもっと欲しいけど、手が死ぬので量産はできない。
ミシンはめんどくさいし、そもそもウチにあるのか不明だ。
ダイソーとかで作ってくれたらいいのに。


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iPad お絵描き環境整備 [日記]

お絵描き初心者のくせに、絵の基礎練習よりも熱心にデジタルお絵描き環境の整備を進めている。
だってさ、絵は一朝一夕には上手くならないけど、環境整備するとてきめんに快適度が上がるんだもの。

まず最初に導入したのがこちら。

「エレコム 液晶タブレット グローブ 2本指 手袋 TB-GV2M」


iPad でお絵描きしていると、小指の側面が画面に触れて意図しない操作をしてしまうことがある。ソフトによってはそれを防止する機能がついていたりもするのだけれど、ない場合は結構な頻度で誤操作が発生するのでかなりのストレスになる。
それを防止するのがこの手袋。

本来は指先まである商品なのだけれど、私はこのように指先部分を切ってしまった。

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この手袋を使ってみて初めて自覚したのだけれど、私はApple Pencilを持ったままでタッチジェスチャーを使う場合、中指・薬指・小指を使っている。

二本指タッチ(取り消し) 中指+薬指
三本指タッチ(やり直し) 中指+薬指+小指

なので、指先が画面に触れないとこれが使えなくなってしまうのだ。
切りっぱなしで何にも処理してないけど、今のところほつれてきたりはしない。

そして最近レビュー動画にのせられてうっかり買ってしまったのがこちら。

「iClever テンキー Bluetooth IC-KP08」


左手デバイスとして使えるテンキー。
私の右手が腱鞘炎になったのは強い筆圧でお絵描きしすぎたのが1番の原因だと思うけど、ほぼ全ての操作を右手で行っていたことも関係あると思う。
これで少しは改善するといい。

ちなみにひとまずこういう設定でショートカットを割り当ててある。

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在宅勤務用のPCでもテンキーとしても使いたいのでシールを貼ってないけど、自分なりになぜその配置になっているのか理由づけがあるので、まあなんとかなってる。

人の欲というのは際限がないもので、次にはShiftキーやらctrl + A 、ctrl + X といった、昔から馴染んでいるPCキーボードのショートカットも使えたらいいのに、と思い始める。
調べてみると、折りたたみキーボードをiPadお絵描きの左手用デバイスとして使用する方法もあって、なんだよ、動画にまんまとのせられてテンキー買わないでこっち買えばよかったじゃん、と後悔したのち、なんとか手持ちのキーボードを有効活用できないか考えてみた。

そしてこうなった。

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キーボードとテンキーの枠内はそれぞれ同じショートカットを割り当てている。
右側のテンキーいらなくね? と思われるかもしれないが、これは←キー(消去)とEnterキー(確定)のために使う。

かなりの重複感があると思うけれど、これはがっつりお絵描きするときのセッティングで、ちょっとiPad取り出してお絵描きしようかな、くらいの時は左側にテンキーのみ置いて使う。

ちなみにキーボードはiPadを浮かせた隙間にちょうど収まっている。

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浮かせるために使っているのはApple Pencilが入っていた箱。
Webの記事で某漫画家がこの箱を使うと角度がちょうどいいと言っていたのを真似している。
私にもちょうど合っているし、使わない時あまり邪魔にならないのもいい。

そして環境整備だけで満足して終わる。


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