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国立劇場五月文楽公演第二部 [文楽]

三年ぶりに文楽を観てきました。
「妹背山婦女庭訓」です。

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目玉はなんといっても妹山背山の段ですよね!
上のチラシがまさにその写真なのですが、真ん中に川が流れていて、両岸にはいがみ合う家同士の館が向かい合っている。
親同士はいがみ合っているけれど、子は恋人同士というドラマチックな設定です。
さらに、通常は向かって右にしかない、大夫さんと三味線の方が座る「床」と呼ばれるものが、この段では両側にあって、妹山背山で掛け合いながら語られます。
すごい豪華!
大夫さん三味線さんの熱演が素晴らしかったです。
お人形は柱に寄りかかる雛鳥の形の美しさったらなかったね。

四段目はお三輪ちゃんが気の毒でなぁ……。
娘らしい悋気が可愛らしいだけに、利用されるだけ利用されて命まで捧げて愛しい人のお役に立てるなら有難や、って最期が哀れで……。
道行恋苧環での三人が大変美しゅうございました。
勘十郎さんやはり大好きです。

一部もチャンスがあれば観たいですが、もうチケットないだろうな。。。


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国立劇場二月文楽公演第二部 [文楽]

久々に文楽を観てきました。
ブログの記録を見る限りでは前回は2008年2月なので、ちょうど8年ぶりということになる。
ご無沙汰しております!

第二部は嶋大夫の引退披露記念公演でして、今までいくらでも機会があったのに、引退と聞くと慌てて行くというよくある小市民パターン。
嶋大夫といえば、私にとっては、場合によっちゃあ人形見ているよりも面白い熱い語りの大夫さん。
最後にもう一度その勇姿を見たいじゃない。

まずは「桜鍔恨鮫鞘」。
夫の忠義のために女房が自らを犠牲にするという、この世界ではよくある話。
夫の金を用立てるために、女房は夫を追い出して新しく金持ちの男を婿に取るのだけれど、それを知らずに夫は逆上して女房とその母親を殺すというすごい話。
幼い子供に覚えさせた遺言で、夫は女房の真意を知ります。

私は話の筋よりも、子持ちの人妻なのに金持ちの男が喜んで婿に入るなんて、なかなかやるなぁ、奥さん、ゲヘヘ、と思いました。
どんだけいい女なんだろう。

まあ、それはともかく。
久々に見た勘十郎さんは相変わらず渋い顔をしていましたが、操る人形は美しく繊細。
目を閉じてじっと堪える女房の姿が実に美しかった。


続いて嶋大夫引退披露記念公演の「関取千両幟」。
こちらも忠義のためにお金が必要な相撲取りが八百長しなくちゃいけなくて苦悩する話。
やっぱり最後は女房が身売りして二百両を作って夫を助ける。
人妻なのに二百両。
いい女なんだろうなぁ、ゲヘヘ。

さて、お目当の嶋大夫の勇姿ですが、運が良いのか悪いのか二列目の席が取れてしまって、大夫のいる床が真横……ていうか若干後ろ気味で、その熱い姿をなかなか見られなかったのが残念でした。

そうそう、寛太郎さんの櫓太鼓曲弾きも素晴らしかったですよ。
ここでいう曲とは曲芸の曲であることを知る。

いつか機会があれば大阪の文楽劇場にも行ってみたいと思いました。
嶋大夫、お疲れ様でした!






国立劇場二月文楽公演第一部 [文楽]

冥土の飛脚を観てきました。
あたしねー、どうもねー、心中物って好きじゃないのよね。
死に行く二人にまったく興味が持てない。
ごめんね。

人間、死ぬ気になったらなんだってできると思うんだけどなぁ。
しかも好きな人と二人でさ。
生きたくても生きられない人だっているんだ。
甘ったれんじゃないよ。

と、死のロマンを微塵も感じられない私です。


国立劇場二月文楽公演第三部 [文楽]

義経千本桜を観てきました。
歌舞伎では何度も観ていますが、文楽では初めて。

道行の静と忠信はなんだかカワイイ。
ああいう華やかな踊りの場面を観ながらぼんやりと考え事をするのが好きだ。
今回も来ては去って行く思考と戯れる。
贅沢な時間。

川連法眼は勘十郎さん大活躍ね。
あのニヒルな顔で可愛らしい狐を操ったりするのがまた素敵。
幕切れはまさか勘十郎さんも飛ぶとは思わなかったのでちょっとびっくりした。
そりゃ確かに人形だけ飛んだらブラーンとなって怖いけどもさ。
文楽の演出の方が、忠信が空高く舞い上がって行く感じでいいね。歌舞伎よりこっちのが好きだな。
以前、女殺油地獄の練習で繰り返し滑る練習をしているのを見たことがある。
ツーって滑るだけなんだけど、色々こだわりがあるのねー、と面白く見ていた。
忠信が飛ぶのも色々こだわりがあるんだろうね。

久々の文楽で楽しかったです。
咲甫大夫にも会えて良かったわ。
私好きなのよ、咲甫大夫。
顔も声も。