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データに支配される [つぶやき]

長年お世話になっているEvernoteに別れを告げることにした。
大変便利に使わせてもらっていて、年間2000〜3000円程度だったら十分払う価値はあると思っていたのだけれど、8月末で期限が切れた後は年額5800円になってしまって、そこまでの価値はないと判断した。
Evernoteはどんどん高機能化・高価格化していって、私のようなライトユーザーには使いづらくなっている。
巨大資本以外を応援したい気持ちはあるのだけれど、もはや見限ることにした。

さて、見限ると決めたものの、移行先が見つからない。
いくつか試してみた私の全敗記録。

OneNote
インポートがエラーになる。
単純に文章を入力したいだけなので、ブロックという概念が使いづらい。

Notion
インポートがエラーになる。
テキストコピーが一行ごとって私にはめちゃくちゃ使いづらいんだけど、なんでこれ人気あるの??

Apple純正メモアプリ
インポートがエラーになる。
同期がクソ。

色々試してみてわかったんだけど、やっぱりEvernoteってよくできてる。
単純なテキストの入力も快適だし、写真やエクセルなどなんでも貼り付けられる。
同期も早い。
でも年額5800円は高いのよぉ。。。

Evernoteのデータを移行することはあきらめて、とりあえず以下で運用してみることにした。

単純なテキストメモ → SimpleNote
Webクリップや写真付きメモ → Google Keep
後で参照する可能性がある記録 → Evernote(無料版)

あっちこっちに情報が分散するのは面倒と言えば面倒かもしれないが、リスク分散と言えばそうとも言える。
どのサービスがいつ終わるのかわからないので、本当に大事なデータ(私の場合は読書ノートをスキャンしたPDFとか)は何重にもバックアップを取っておいたほうがいい。
最近、USBメモリが突然認識されなくなって泣く泣くデータをあきらめた父の姿を見たこともあり、バックアップの重要さを痛感している。

ところで、このとりあえずの結論に達するまで悪戦苦闘すること、おそらく計6時間。
徒労感の中で、私は思った。
自分で溜め込んだデータに、自ら支配されていないだろうか。
これまでも大量の音楽データや写真データの管理に頭を悩ませ、かなりの時間をかけてきた。
しかし冷静に振り返ってみると、その労力を費やして移行したデータを、私は活用しているだろうか?

せっせとCDから取り込んだ音楽データを聞くことはもうない。
Spotifyで聞いた方が断然楽ちんだ。
カメラロールには二度と見返すことのない写真データが大量に溜まっている。

重要なデジタル情報というのは、実はそう多くはない。
写真データの9割はゴミだ。
Evernoteに溜め込んだ情報の9割もゴミだ。
おそらく過去のメールの99.9%はゴミだ

私はicloudに月130円を支払い、Evernoteに昨年3120円を支払った。
大した金額ではないが、なんのために払っているのかというと、ゴミのために払っている。
そのことに気づいてしまった。

世界中の人間が日々膨大な量のゴミデータを作り、記録し続けている。
いつか宇宙はデータで埋まってしまうのではないだろうか。
量子コンピュータが実現すればごく小さな物質の中に大量のデータを保存できるらしいけど、それが実現する頃にはさらに大量のゴミデータを保存するようになっている気がする。
例えば、地球上の全地点におけるある瞬間の風向きと風力をごく細かいフレームで全記録するとか。
ある人間を構成する物質を元素の電子配置まで正確に記録を取り続けるとか。

いや、そもそもこの宇宙はすべて情報でできている、という理論もあるらしいけど。
なんだか気が遠くなってくる。

とにかく、ゴミにこれ以上かかずらうのはやめることにした。



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