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「個人的に」気持ち悪い日本語 [本]

めっきり本を読まなくなりました。
まあボチボチとは読んでいるんですけど、せいぜい月に1冊読了くらいのペース。
長時間読んでいられなくてすぐ飽きてしまう。
注意散漫になっているとつくづく感じる。
これ絶対スマホとSNSのせいだと思う。

本を読む能力の衰えとともに、文章を書く力も衰えている気がしてならない。
それになんの問題があるのか、と言われると特に差し迫った危機はないのだけれど、何かがじわじわと崩壊していくような不安がある。

インターネットにあふれる吟味されていない今時の言葉を大量に読んでいると、だんだんそれが当たり前になってきて、今の私が「気持ち悪い」と感じる日本語もいずれは何とも思わなくなるのだろうか。

たとえば私はこういう文章を「気持ち悪い」と感じる。

「個人的にはBが好きですね」

「好き」というものは個人的な感覚以外の何物でもねーだろうが、と思う。
たぶん「好みは人それぞれで他の意見もあるだろうけど、あくまで自分の好みとしてはこれ」ということを強調したいのだろうけど、なんか気持ち悪い。
最近の日本語はこういう他者との対立を極端にさける傾向があるように感じる。

あと、「ですね」も気持ち悪い。
「ね」がいらん。
これもたぶん柔らかさを出すためのものなのだろう。

以上をふまえ、私が違和感なく読めるのは

「私が好きなのはBです」

になる。
今の世の中ではこういう文章はそっけない、冷たい、と思われてあまり推奨されないのだろうなぁ。

近頃本を読まなくなり、インターネットやSNSの垂れ流し文章ばかりを浴びるように摂取しているので、早晩なんとも思わなくなるのかもしれない。
スマホの魔力はおそろしい。
だらだらと画面を見ながら自分が本当にやりたいことはこれなのか?と自問すると「否」という答えが返ってきて、ああもういい加減にしようと思うのだけれど、またついスマホに手が伸びる。

せめてもの抵抗に中島敦や樋口一葉の小説を読み直したりするけれど、すぐに注意散漫になってまたスマホに手が伸びる。
げに恐ろしき魔力である。




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