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WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方 [本]

「WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方 」
ジル・ボルト・テイラー



突然の脳出血により左脳の機能が停止した脳科学者が、自分の脳内で起こったことを内側から観察することで、私たちの脳内には「4つのキャラ」がいるということに気づきます。
そのキャラたちがチームとして協力し合えば心穏やかな人生が手に入る、というのが本書の内容です。

重度の脳出血に見舞われて左脳の機能が停止した著者は、生命の危機的状況であったにも関わらず、心安らかな幸福感と宇宙との一体感という涅槃のような境地にいたと言います。
自他の境界がなく、過去も未来もなく、言葉もない「今この瞬間」だけの世界。
やがて左脳の機能が少しずつ回復し、他者とのコミュニケーションや順序立てて物事を処理する能力を取り戻していきます。

私たちの脳内には、考える左脳、感じる左脳、感じる右脳、考える右脳という「4つのキャラ」が常に存在すると言います。
そして私たちはいつでも自分がどのキャラでいるかを選択できるのだと。

そのためには、まず自分の脳内にある4つのキャラを知る必要があります。
まとめるのは難しいのですが、ものすごく無理矢理まとめるとこんな感じ。

キャラ1<考える左脳>
言語、過去/未来、ルール、分析、細部、差異

キャラ2<感じる左脳>
恐怖、心配、不安、猜疑、優劣、正誤、利己

キャラ3<感じる右脳>
遊び、創造、開放、集団、信頼、今だけ

キャラ4<考える右脳>
大局、寛容、柔軟、思いやり、流れ

これだけだとよくわからないと思うので、詳しく知りたい場合は是非本書を読んでみてください。
作者は自分の脳内の4つのキャラに名前をつけて、それぞれの声を聞く「脳内会議」によって、脳の連携回路を強化することを勧めています。

内容の説明はこれくらいにして、読んで思ったことなどを。

まず、心安らかな幸福感と宇宙との一体感というまさに涅槃の境地が、そもそも私たちの脳内にすでに機能として存在しているということがものすごい希望に思えた。
ただ残念なことに、どうしたらそこにアクセスできるのかがわからない。
人為的に脳出血を起こすのはあまりにリスキーだ。
私としては仏教の「慈悲の瞑想」がこの回路を強化するものとして有効なのではないかと考えている。
セルフ・コンパッション」でも推奨されているし。

4つのキャラの中で一番わかりやすくほとんどの時間を支配しているのが<キャラ1>だと思う。
今こうしてブログを書いているのもそうだし、日々のルーティンやToDoリストをこなすのも、明日の予定を立てるのも、座りっぱなしじゃなくて少し歩いた方がいいと考えるのも<キャラ1>だ。
私の中の<キャラ1>は次々と仕事をこなすバリキャリ。

<キャラ2>もよく顔を出す。
自分と誰かを比較して落ち込んだり嫉妬したり、過去を思い出してくよくよしたり、未来に対して悲観的になったり、孤独を感じるときはこの<キャラ2>が叫んでいる。
寂しがり屋の傷付いた子供。

<キャラ3>はあまりピンとはこないのだけれど、誰かと一緒に夢中になっておしゃべりしていたり、お絵描きに没頭していたりするのはこのキャラなのだと思う。
もっと出て来てくれてもいいのに。

<キャラ4>はほとんど存在を感じられない。誰かに対して思いやりの気持ちを抱く時とかがそうなのかなぁ。私もこのキャラの領域である一体感と幸福感を体験してみたいものだ。

作者はどのキャラでいるかを私たちはいつでも選べるのだ、というけれど、ほとんど認識できていないキャラ3やキャラ4に切り替えるのって難しい。
まずは自分の脳内で今どのキャラが優勢になっているのかを認識するところからなのかもしれない。

どのキャラの声も無視したり排除したりせず、すべてのキャラの声を聞いて合意することが作者の言う「脳内会議」らしい。
私の脳内は<キャラ1>と<キャラ2>の声でほとんど満ちているのだけれど、いずれは右脳の<キャラ3><キャラ4>とも協力してWHOLE BRAINで心穏やかに生きていけるようになりたいものです。




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