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破船 [本]

「破船」 吉村昭



この本のことを初めて知ったのは読売新聞の紹介記事だった。
カミュのペストとかと一緒にコロナ禍で読むべき本、みたいな感じで紹介されていたと記憶する。
話も不気味だけど何より表紙の絵が怖い、と強く印象に残っていた。

村人たちが食うや食わずの生活をしている僻地の貧しい漁村では、貴重な荷を積んだ船が座礁するのを「お船様」と呼んでその到来を待ち望んでいた。
しかし今度のお船様が運んできたのは恵みではなく疫病だった!

という話なんだけど、この疫病船がやってくるのって本当に最後の方なんだよね。
表紙からして不気味で、座礁船を「お船様」と呼ぶのも不気味で、常に死が近くにある寒村の生活もどことなく緊張感と不穏さを孕んでいて、何が起こるのか、どんな破局が訪れるのかと読み進めると、死体だけを積んだ船が流れ着く。死人はみんな赤い着物を身につけていた。そして船内には赤い猿の面。
だめー!それ絶対やばいやつーー!

お船様が実は疫病神だった、というのはほとんどオチみたいなものなので、知らずに読んだ方がハラハラして面白かったんじゃないかと思う。
でもこの情報がなかったら読まなかっただろうし。。
難しいね。




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