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九月新橋夜の部 [歌舞伎]

新橋演舞場の夜の部を観て来た。

一つ目は加賀見山。
時蔵さんの尾上は上品で情があってきれい。
最後にお初を見送る時、「ずいぶんまめで・・・」と呟くところに愛情が溢れていて温かくてじんわりした。
亀ちゃんのお初は期待通り良い。
健気でいじらしくて凛としていて少女の可愛らしさもある。
海老蔵の岩藤はなぜかあんまり憎らしさがない。
意地悪なのはまちがいなく意地悪なんだけど、ずる賢さがないんだよねー。
こんなに意地悪でひねくれた性格になっちゃった原因は何なの?とむしろ可哀想になってしまう。
家庭の不和が原因でいじめっこになってしまった子供を見ている気持ち。
ある意味、新たな岩藤像だ。

続いてはかさね。
亀ちゃんのかさねが良いと聞いてはいたけれど、ホントに良かった!
美しい娘の清廉な色気と死霊の怨念を見事に演じ分けててすばらしい。

このかさねは、後半からひたすら男女が死闘を繰り広げるというすさまじい舞踊劇です。
すさまじく恐ろしく美しい。
特に橋の上で二人が上下になってかさねの解けた帯を水面に垂らしての見得はすごく良かった。
これが見たくてアタシは歌舞伎に通い続けているんだなー、と思う。

ついでにかさねちゃんの衣装がきれい。
肩から裾に向かって水色から紺へのグラデーション。
その上に金糸やとりどりの色でお花が刺繍してある。
襦袢は白地に紅葉が血のように散る。
こういうところにも手を抜かない歌舞伎が好きだ。


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