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宇江佐真理さん、さようなら。 [本]

作家の宇江佐真理さんが亡くなったとのこと。
とても残念です。


登場人物の心情を丁寧に描いて、読後感のさわやかな作品をたくさん世に出した時代小説の名手でした。
私は一人の作家をひたすら読むタイプではないので、宇江佐作品を数冊しか読んでいないけれど、安心して読むことができる大好きな作家さんでした。

私がまだ社会人になりたての小娘だった頃、会社の飲み会で、ブルドッグのようないかつい顔のオジサンと時代小説の話になった。
どんな作家が好きかと聞かれて、藤沢周平と答えたら、宇江佐真理も良いから読んでごらん、と勧められた。

おっかない顔のオジサンのおすすめだったので、一体どんなおっかない話を書く人かと思ったら、なんとも優しくて切なくて気持ちのいい話を書く作家さんだった。
あのブルドッグのようなオジサンがこんな柔らかな小説が好きなのかと意外だった。

宇江佐真理さんは専業主婦として子育てをしながら小説を書き続けて、40代半ばで作家デビューした人。
世の平凡な女性たちに希望を与えるその経歴も素敵だ。

このインタビュー記事がとてもいい。

北海道人インタビュー 「函館から紡ぎだされる今を生きる時代小説」


享年66歳。
まだまだたくさんの名作を世に出して欲しかった。
ご冥福をお祈りいたします。





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