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この世にたやすい仕事はない [本]

「この世にたやすい仕事はない」 津村記久子



記事にしなくてもいいかな、と思っていたんだけど、姉がブログに書いていたので私も簡単に感想を。


新聞の書評を読んだりしていて、「これは面白そう、絶対面白そう、すごく面白そう」と期待しすぎていたせいか、普通の面白さでした。
津村ファンだったら安定して楽しめると思います。

前職で燃え尽きた36歳の女性が、1年間で5つの仕事を経験していく「お仕事ファンタジー」。
この主人公のように、ある時期、短期の仕事をいくつもやってみるという経験をするのもいいなぁ、と思いました。
親身になって世話してくれる相談員が必須ではあるけれど。


第一話は津村節が炸裂していて面白かったけれど、炸裂しすぎてまるで津村さんのエッセイを読んでいるような気分になった。
仕事としてはあんまりやりたくないなぁ。

第二話はなかなか面白そうな仕事。
結局、江里口マジックは何だったのだろう??

第三話は仕事として実に魅力的。
こういう仕事、やってみたい。でも、ずっと一人でやっているのはいずれ苦しくなるかもしれないなぁ。
そして「善良な気持ちで実害を与える人」というのが一番タチが悪いよなぁ、と改めて思いました。

第四話が話としては一番面白かった。
世の中にはこういう「人の心の隙間」とか「不安」とか「孤独」に巧妙に入り込む人々や組織がたくさんあって、その活動自体は犯罪ではないのだけれど、その活動にはまり込んでしまうと危険なものが、身近なところにいくらでもある。
完全にはまり込んでしまえば、それはそれで幸せなんだろうけどね。

第五話の仕事が一番ステキ。しかし時給850円は確かに安すぎる。
3か月くらいならやってみたい。





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