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完本 文語文 [本]

三国志とか三島とか佐藤優とか、立て続けに古典への示唆を受けた結果、amazonの神のご宣託によりこの本を読むに至りました。

「完本 文語文」 山本夏彦



ご無沙汰しておりました、山本翁。
「年を歴た鰐の話」以来でございますねぇ。

山本夏彦の本は2,3冊しか読んでいないのだけれど、私が歌舞伎を観るようになったのは紛れもなくこの人がきっかけで、受けた影響は計り知れない。

この本は日本伝統の文語文について書いた文章をまとめたもの。
引用される名文の美しさ、リズムの心地よさ。
やんぬるかな、その伝統は明治で途絶えてしまったと山本翁は嘆く。
いまさら文語文に戻れと言っているわけではない。それはもはや不可能である。
父の影響で明治の文章に親しんだ山本翁ですら、文語文は書けないという。
しかしまだ滅びきっていない語彙がある。それらを惜しむ。

百人一首すら暗誦できず、四書五経の素読教育など受けたことがない私の身において、文語文は骨にも肉にもなっていない。
しかし血の数滴くらいには混ざっていると思いたい。

解説の徳田孝夫の言葉に希望を見る。
「われわれはもう二度と文語文に戻れない。だが古人に学び古典を写し、型を覚えることはまだ可能である。」

四書五経は無謀すぎるとして、史記全巻とは言わないまでも、古来より規範と言われたそれらの文章に少しでも触れることは無駄ではあるまい。
でもいきなりちくまとか岩波とかに手を出すとすぐ挫折しそうだから、まずは故事成語を知るレベルを目指すということで横光史記から始めるのはどうでしょう。



まだ三国志も読み終わってないのに!



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