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運慶展 [美術館/博物館]

雨の中、東京国立博物館の「運慶」展に行ってきました。

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この雨だもの、きっと人出が少ないはず……という読みは甘く、雨だけど人がいっぱい。
あとで科博の窓口のお姉さんに聞いたら、天気が悪くても土日の方が平日より人が多いそうです。
ひとつ学習しました。

幸い、小品は少ないので人が多くてもそれなりにみられる。

以下、気になったものをご紹介。

「法相六祖坐像」
神叡は己に厳しそうな端正な顔の青年僧。
善珠はじろっと左を見ている表情が印象的。
行賀の坊主頭に浮き出る血管がリアル。

光得寺「大日如来坐像」
厨子に収まった小さな仏様で、足元の獅子や背後の天部が可愛い。

「八大童子立像」
おなじみ、運慶の代表作のひとつ。
オレンジの壁に囲まれたエリアでガラスケースに収まった姿はまるで高級ブティックのディスプレイのよう。
面白い展示の仕方です。
可愛らしい像あり、童子というには老け顔あり。
恵喜童子の丸いキャップはなかなかモードな感じ。

興福寺南円堂「四天王立像」
いずれも素晴らしいですが、なかでもひときわ迫力あるのが持国天。
お顔の表層の一部が剥落しているのが、まるで返り血を浴びたようにも見えて凄みを増しています。
正面からでは分からないのだけれど、右袖のひるがえりがダイナミック。
是非向かって左手からも鑑賞して欲しい。
多聞天は左手に捧げ持った宝塔を見上げるポーズが珍しい。

東福寺「多聞天立像」
つるっとした子供のような顔と変な兜が見どころです。

海住山寺「四天王立像」
体長30センチほどの小さなお姿ですが、とても精巧にできています。
なにより彩色が鮮やかに残っているのが素晴らしい。
四天王それぞれの本来のお顔の色がはっきりとわかります。
持国天:緑、増長天:赤、広目天:白、多聞天:青
(一般的には持国天:青、増長天:赤、広目天:白、多聞天:黒、らしいですが)

「毘沙門天立像、吉祥天立像、善膩師童子立像」
原始仏教が「女子供への執着を捨てよ」と説いている中で、どこ吹く風と一家団欒を見せつける毘沙門天ファミリー。
童子の顔がいかにも「日本人の子供」の顔でなごみます。

高山寺「子犬」
明恵上人が愛でたという例のアレですね。
検証の結果、向かって右から見た姿が一番可愛いことが判明しました。
まあ個人の好みですが。

「千手観音菩薩坐像三十三身像のうち執金剛神」
右手を振り上げ、左手で左足を持つというダイナミックかつ斬新なポーズ。
難しそう、と真似してみたら意外と簡単だった。

「十二神将像」
風になびいたようなシャープな髪型がイカしてるヘビさん。
思案気なお顔が可愛いウシさん。
腕をつっぱって精悍なポーズのヒツジさん。
なにやらやる気に溢れているトリさん。
遠くを眺めるイヌさん。
眼をすがめて矢じりを確かめるイノシシさん。
今回のベストオブ十二神将はイノシシさんに決定。

悩みに悩んで結局図録は買いませんでしたが、返り血を浴びた(?)持国天のカッコイイA4ポスターがあったので買って帰りました。



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