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おべんと持って裁判所へ行こう [裁判傍聴]

今日は午前中から東京地裁へ。

以前に傍聴した準強制わいせつの判決を聞く。
鍼灸師が施術中に女子高校生に対してわいせつ行為に及んだという事件。
判決、2年の実刑。
無罪を主張していた被告人は控訴するのだろうか?
ちょっと気になる。

お昼まで時間があったので、放火の事件を傍聴する。
刑事さんを全面的に信頼していて、言われた通りの調書にしたらこんなことになっちゃった、と主張する。
よく聞く話だけれど、よくあることなの?
そこんとこ本当はどうなの?

お昼は家から持って来たおにぎりと浅漬けという質素な食事を取る。
友達と合流して、続けて傍聴している集団強姦の法廷へ。
ちょっと早めに入って来た被告人のふてぶてしい顔を見て驚く。
「被告人、顔変わったよね?」
「うん、私もそう思う」
裁判官は一人しか入って来ない。私の大好きなあの人は!?
「え、裁判長だけ?」
「あの裁判官がいないなんて!」
裁判長は突然判決を言い渡す。
・・・なんだ、別の事件か。
ああ、びっくりした。
被告人は裁判の不利を確信してやさぐれて人格変わっちゃったのかと思ったよ。

一度閉廷し、改めて三人の裁判官が入って来て集団強姦の法廷が始まる。
弁護人が上申書や嘆願書を証拠取り調べ請求するところで、被告人はボロボロ泣き出す。
こんなことは初めてだ。
被告人の父親が情状証人として証言している間も被告人は泣き通し。
証人も泣きながら証言。
法廷はやや白け気味。

証人の後は被告人質問。
主張し忘れた事を裁判長に指摘されるようなうっかりぼんやりした弁護人が、ここで被告人を泣かせることに熱意を燃やす。
弁「あなたには奥さんと2人のお子さんがいますね?」
被「はい」
弁「お子さんは何歳ですか?」
被「8月で3歳と、今年の2月に生まれたばかりです」
弁「あなたがもし刑務所へ行くことになって、例えば2、3年経ってから戻って来たあなたを、下のお子さんはお父さんだと分かるでしょうか?」
被「分かりません(ここで泣き崩れる)」
このやりとりを見ていると、可哀想だから刑を軽くしてあげようという気持ちより、可哀想だからあんまり泣かせるなよ、弁護士、という気持ちになる。
ぼやっとしているくせにいじめるのはうまい。

自分は被害者に直接手を出してはいない、という被告人の主張に対して、裁判長は明らかに懐疑的だ。
「被害者が君たちの目の前で証言しなきゃいけないのはどんな気持ちか分かりますか?イチから思い出して証言する気持ちがあなたに分かりますか?少しはその気持ちも考えなさい」
つまり、それくらい相当な覚悟で証言した被害者が言ってるんだから、その通りのはずでしょ、ってことらしい。

検察側の求刑は懲役4年の実刑。
判決は一ヶ月後。
さて、判決はどうなりますやら。
そしてその頃も私は依然として裁判傍聴する無職でいるのでしょうか・・・?
どちらも気になる。

裁判所を後にして、友達とお茶をする。
話すのはいつものように裁判のこと、小説のこと、仕事のこと。
「無職小川の会」とは、読書会のことではなくて、こういう会を言うのではないかしらん。



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