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四月歌舞伎座 夜の部 [歌舞伎]

久々に歌舞伎座へ行ってきました。
この備忘録ブログによると実に5年ぶりです。

夜の部なので、まずは遅めの昼食兼夕食を近くのカフェでいただきます。
銀座の人気カフェ、リール ギンザ。
全然知らんかったけど、ネットで調べたら出てきたから行ってみべぇ。

人気店なので並ぶことも多いようですが、平日の中途半端な時間帯だったのでスムーズに入店。
キッシュとサラダのプレートランチを頼んでみました。

最初に出てくるのはデミタスカップに入ったポタージュスープ。
ティースプーンより小さいスプーンでこれをちまちまと口に運ばねばならない。
こんなもん一息でくいっと飲み干せてしまわぁ、と思いながら、もしかするとこの腕の運動によってカロリーが幾分消費されて以降の料理がより一層おいしく感じられるという心憎い気配りなのかもしれない、と考えてみる。

続いてキッシュとサラダとマリネのプレート。
おしゃれ。かつ、無難にうまい。

最後にミニデザートと紅茶。
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おいしいし、オシャレだし、高すぎないしで、人気店なのは納得なんだけれども、なんだか私には居心地があまりよくなかった。
なんでだろうなぁ?
早々に退出。

まだ時間はあるので歌舞伎座タワーの5階にある庭園に行ってみる。
ふうん。
終了。

地下に降りてお土産屋さんをひやかす。
でも何も買わない。

まだ時間があったので近くの東劇に行ってチラシを一通りもらってきたところでちょうど開場時間です。

演目は「絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」。
歌舞伎座が新しくなってチケットが軒並み3割くらい値上がりしてからめっきり足が遠のいていましたが、仁左衛門さん演じる鶴屋南北の極悪人、しかも一世一代と言われては行くしかあるまい。
奮発して一等席をとりましたよ。

2階の西側桟敷です。こんな感じで物が置けて便利。
s_IMG_2802.JPG

お芝居のほうはとにかく悪い。そうとう悪い。
仁左衛門さんは二役で、どちらも極悪人。
まずは殿様のほうで、いきなり百姓の子供をお手打ちにする。
さらにこれを利用して邪魔者をだまし討ちにして、さらには供の者も斬り捨ててそいつに罪をなすりつける。
すごい。悪い。

この殿様は相当ワルなんだけれども、聞き分けなく駄々をこねて泣き叫ぶ子供を容赦なく斬り捨てる場面で、観ている人間の心に「酷い」という気持ちだけでなく、ちょっとだけスカッとする気持ちがあったりもして、そのことに恐ろしくなったりもする。
こういう人間の業の深さのようなものを抉り出す鶴屋南北って改めてすごいと思う。

もう一役の方もかなり悪くて邪魔者は片っ端から殺してしまう。
しまいには女房まであっさり殺す。
うーん、すごい。

仁左衛門さんのワルぶりは言うまでもなくかっこよかったけれど、彌十郎さんのどっしりした安定感がお芝居全体を支えている感じがしました。

あと、時蔵さんのうんざりお松がキャラクター含めてすごくいい。
25になるこれまでに、持った亭主は16人。すごい!
あらゆる悪に手を染めて、爛れきった色気があります。
そして商売道具の毒蛇の生き血が欲しいと言われたらあっさり蛇の首筋を嚙み切って血を絞り出すワイルドさ。
さらに惚れた男には重い女。
いいねー、いいキャラだねー。
で、結局殺される、と。

最後は三人兄弟の次男夫婦が無事に仇討ちを果たすのだけれども、次男の妻・皐月の予想外の強さに目を見張ります。
ばったばったと雑魚を倒し、ラスボスとも互角に立ち会って夫と力を合わせてついに討ち果たす。
妻・皐月すげえ!

久々の歌舞伎座、楽しかったです。
歌舞伎座へ行くというのは、歌舞伎を観るだけではない娯楽性がありますね。
隣の上品な奥様とも色々おしゃべりできて楽しい観劇でした。

でもやっぱりチケット高すぎるから次行くのはまた5年後かも。


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