三島のテープ [つぶやき]
三島由紀夫が自殺する9か月前に受けたインタビューの録音テープがTBS内で見つかったとのこと。
全体の四分の一ほどを抜粋して編集した音声がTBS News i にアップされているので聞いてみました。
前半は自己完結している抽象的な話が多く、何かを言っているようで実は何も言っていないように聞こえてしまう。
インタビュアーも「○○○○とはどういうことですか?」と聞くのだけれど、三島はちゃんと説明しない。
説明することを面倒だと思っているのかもしれない。
終わりのころに「現代日本で一番嫌なところはどんなところですか」という質問に対して「偽善」と答え、その最たるものが平和憲法だと語る。
右翼キター! と思ったのだが、実はここから先が重要であった。
戦後のヤミ米を取り締まる食糧管理法をあくまで守り通して栄養失調で亡くなった裁判官を例に出して、憲法9条は日本人に死ねと言っているのと同じことだ、と三島は言う。
ただし、1項の平和主義を否定しているのではない。人類の平和は素晴らしいことだ。
問題は2項だ。これは日本人に死ねと言っているのと同じである。
それなのに一部の法学者は解釈をねじまげて自衛隊を容認する。
こういう誤魔化しが自分には耐えられない。
……というのが三島の主張らしい。
三島は一体、何を目指していたのか、さっぱりわからなかったのだけれど、これを聞いてようやくその思想の一部が理解できたような気がした。
あくまで一部ですけど。
私が聞きたかった「漢文の教養がなくなってから日本人の文章はだらしがなくなった云々」の話は収録されていなかったのが残念。まあ、これはこれで面白かったかな。
興味のある方はどうぞ。
3月6日夜までの限定公開です。
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/info/mishima.html
ちなみに「群像3月号」でインタビューの内容を文字に起こしたものが掲載されているそうです。
みんな興味があるみたいで、ちょっと手に入りづらくなっている。
私も日本人の文体と思想に関する話を読んでみたいんだけど、買うほどじゃないんだよなぁ。
全体の四分の一ほどを抜粋して編集した音声がTBS News i にアップされているので聞いてみました。
前半は自己完結している抽象的な話が多く、何かを言っているようで実は何も言っていないように聞こえてしまう。
インタビュアーも「○○○○とはどういうことですか?」と聞くのだけれど、三島はちゃんと説明しない。
説明することを面倒だと思っているのかもしれない。
終わりのころに「現代日本で一番嫌なところはどんなところですか」という質問に対して「偽善」と答え、その最たるものが平和憲法だと語る。
右翼キター! と思ったのだが、実はここから先が重要であった。
戦後のヤミ米を取り締まる食糧管理法をあくまで守り通して栄養失調で亡くなった裁判官を例に出して、憲法9条は日本人に死ねと言っているのと同じことだ、と三島は言う。
ただし、1項の平和主義を否定しているのではない。人類の平和は素晴らしいことだ。
問題は2項だ。これは日本人に死ねと言っているのと同じである。
それなのに一部の法学者は解釈をねじまげて自衛隊を容認する。
こういう誤魔化しが自分には耐えられない。
……というのが三島の主張らしい。
三島は一体、何を目指していたのか、さっぱりわからなかったのだけれど、これを聞いてようやくその思想の一部が理解できたような気がした。
あくまで一部ですけど。
私が聞きたかった「漢文の教養がなくなってから日本人の文章はだらしがなくなった云々」の話は収録されていなかったのが残念。まあ、これはこれで面白かったかな。
興味のある方はどうぞ。
3月6日夜までの限定公開です。
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/info/mishima.html
ちなみに「群像3月号」でインタビューの内容を文字に起こしたものが掲載されているそうです。
みんな興味があるみたいで、ちょっと手に入りづらくなっている。
私も日本人の文体と思想に関する話を読んでみたいんだけど、買うほどじゃないんだよなぁ。
狂犬マティス [つぶやき]
狂犬マティスに興味津々です。
ものすごくキャラ立ちしていてオイシイ、と思うのは私だけでしょうか。
イラク戦争の英雄で、過激な発言からmad dog(狂犬)の異名を持つが、実は大変な読書家で、テレビを持たず、妻も持たず、その禁欲的な姿からwarrior monk(戦う修道士)とも呼ばれるという。
いかにも軍人、といった佇まいと、なんといってもあの顔!
だいぶ裏の世界に精通していそうです。(見た目で人を判断してはいけません)
小説とかアニメだったら一部に熱烈なファンが生まれそうなキャラだと思うんですが、どうでしょうか。
今朝の読売新聞によると、座右の書はマルクス・アウレリウス・アントニヌスの「自省録」だそうで、一気に興味が増しました。
マティス国防長官、注目です。
余談。
マルクス・アウレリウスが帝位についた161年は劉備が生まれた年です。
三国志の英雄たちとほぼ同時代の人なのですね。
1800年も前の古人の知恵に触れると、人類ってのはむしろ退化しているのではないかと思えることがあります。
ものすごくキャラ立ちしていてオイシイ、と思うのは私だけでしょうか。
イラク戦争の英雄で、過激な発言からmad dog(狂犬)の異名を持つが、実は大変な読書家で、テレビを持たず、妻も持たず、その禁欲的な姿からwarrior monk(戦う修道士)とも呼ばれるという。
いかにも軍人、といった佇まいと、なんといってもあの顔!
だいぶ裏の世界に精通していそうです。(見た目で人を判断してはいけません)
小説とかアニメだったら一部に熱烈なファンが生まれそうなキャラだと思うんですが、どうでしょうか。
今朝の読売新聞によると、座右の書はマルクス・アウレリウス・アントニヌスの「自省録」だそうで、一気に興味が増しました。
マティス国防長官、注目です。
余談。
マルクス・アウレリウスが帝位についた161年は劉備が生まれた年です。
三国志の英雄たちとほぼ同時代の人なのですね。
1800年も前の古人の知恵に触れると、人類ってのはむしろ退化しているのではないかと思えることがあります。
空を見上げる犬 [つぶやき]
通勤途中でたまに見かける犬がいる。
おじいちゃんに連れられた老犬で、その犬自身がおじいちゃんなのかおばあちゃんなのかはわからない。
よぼよぼと歩くその姿からして、おそらく老犬なのだろうと推し量るだけである。
犬はたまに立ち止まって顔を上げ、空を見上げる。
鳥が渡るのを見ているのか、雲が流れるのを見ているのか。
飼い主のおじいちゃんは急かすことなく一緒に立ち止まる。
いつか車を停めて声を掛けてみたいような気がする。
それまでどうかお元気で。
おじいちゃんに連れられた老犬で、その犬自身がおじいちゃんなのかおばあちゃんなのかはわからない。
よぼよぼと歩くその姿からして、おそらく老犬なのだろうと推し量るだけである。
犬はたまに立ち止まって顔を上げ、空を見上げる。
鳥が渡るのを見ているのか、雲が流れるのを見ているのか。
飼い主のおじいちゃんは急かすことなく一緒に立ち止まる。
いつか車を停めて声を掛けてみたいような気がする。
それまでどうかお元気で。
偉大なるゼンゼンの神 [つぶやき]
ミニマリストと呼ばれる、極限まで物を減らして暮らすライフスタイルの人々がいる。
彼らの考え方は私も参考にさせてもらっている。
あのガランとして何もない部屋は本当にすごい。
あっぱれである。
でも、その何もない部屋でノートパソコンに向かっている姿を見ると、私はどうしてもある傑作SFのワンシーンを連想してしまう。
光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」。
私は萩尾望都のマンガ版が特に好き。
この中で、ゼンゼン・シティという都市が出てくる。
ここでは「市民」は「コンパートメント」をもらって「神」と呼ばれるコンピュータが見せる幸せな夢を見続ける。
何もない部屋でパソコンに向かっている姿は、どうしてもこの「コンパートメント」を思い起こさせて、正直、なんだか気味が悪い。
物に縛られない生活には憧れるけど、ゼンゼン・シティの市民にはなりたくないなぁ。。。
いや、でもいっそ、その方が幸せなのかも。
彼らの考え方は私も参考にさせてもらっている。
あのガランとして何もない部屋は本当にすごい。
あっぱれである。
でも、その何もない部屋でノートパソコンに向かっている姿を見ると、私はどうしてもある傑作SFのワンシーンを連想してしまう。
光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」。
私は萩尾望都のマンガ版が特に好き。
この中で、ゼンゼン・シティという都市が出てくる。
ここでは「市民」は「コンパートメント」をもらって「神」と呼ばれるコンピュータが見せる幸せな夢を見続ける。
何もない部屋でパソコンに向かっている姿は、どうしてもこの「コンパートメント」を思い起こさせて、正直、なんだか気味が悪い。
物に縛られない生活には憧れるけど、ゼンゼン・シティの市民にはなりたくないなぁ。。。
いや、でもいっそ、その方が幸せなのかも。